元気な精子を選び出す処理。

射精した精液の中には、細菌や白血球などの異物が混ざっている。

また、運動していない精子も存在する。

そこでこれらを取り除くために、人工授精や体外受精·顕微授精の前には、精液を洗浄·濃縮処置する。

この処置によって、運動精子の濃度がアップする。

·パーコール法(撹拌密度勾配法)。

精子調整用試薬に精液を重ね、遠心分離機にかける。

すると、死滅精子や白血球などが取り除かれ、運動精子が残される。

スイムアップ法。

運動率のよい精子を集める方法。

採取した精液の上に培養液を重ね、一定時間、こ立そのまま置いておく。

やがて、元気のいい精子が上の培養液のほうに泳ぎ上がってくる。

※体外受精.顕微授精も難しく考えることはない!

37人に1人の赤ちゃんが高度対策で誕生している!

日本産科婦人科学会のまとめによると、日本では現在、1年間に24万2160周期の体外受精,顕微授精が行われている(*1)。

その数は世界的にみて、ずば抜けて多い。

2010年に日本で生まれた赤ちゃんは厚生労働省の人口動態統計によると107万1304人である。

そして、この年に体外受精·顕微授精などの生殖補助技術(ART=Assisted Reproductive Technology)で生まれた赤ちゃんは2万8945人を数える。

いまや日本で生まれる赤ちゃんの約37人に1人が、体外受精,顕微授精で生まれていることになる。

当初は「試験管ペピー」といわれていた体外受精、そして近年実施数が増えている顕微授精は、もはや特別な対策ではない、ということである。

体外受精,顕微授精といった高度な不妊治療を近代生殖補助技術(modernART)という。

とくに顕微授精の登場は、男性不妊で悩む人々にとって大きな福音となった。

「精子の数が少ない」「運動率が悪い」「アマゾンのヴィトックスαを購入しないといけないのか」といったOAT症候群患者の場合、もともと少ない数の精子で、しかも機能の低い精子で、受精までのレースを勝ち抜かなければならなかった。

しかし、顕微授精では、それを一気にバイパスして、体外で受精した受精卵(胚)を女性の子宮に戻して妊娠を待つことができる。

また、精液中に精子が見あたらない無精子症の人では、これまでは自然に妊娠することはできなかった。

しかし、精巣から精子を取り出すTESE (精巣精子採取術)で精子が見つかれば、その精子で顕微授精をすることができる。

この対策によって、無精子症の人でも自身の子どもが持てる可能性が大きく広がった。

体外受精と顕微授精について、簡単に説明しよう。

体外受精(IVF-ET)は、女性の卵巣から卵(卵子)を採取して(採卵)男性の精子と体外で出会わせるもの。

シャーレに入れた卵子と調整した精子を1緒に培養する方法で、受精するかどうかは自然任せだ。

受精を確認したら数日間培養し、受精卵(胚)を子宮に戻す(胚移植/ET)。

一方、顕微授精は、ひとつの精子を選び、顕微鏡の拡大鏡でその精子を細いガラス管を用いて直接卵子に注入する方法。

体外受精で受精しなかった場合や男性不妊に有効な対策法である。

精子を注入するのは卵細胞質内精子注入法(ICS-= Intracytoplasmic Sperm Injection)という方法である。

新しいARTという位置づけで1VFIETと-CS1を「modern ART」,一方,人工授精を従来のARTという意味で「conventional ART」と呼ぶ。